サンスター価値創造のDNA
存在意義を問い続け多様な強みを育成

サンスターグループは、1932年の創業以来、様々な事業に果敢に挑戦し、多様な強みを育てながら事業領域を広げてきました。その間、常に自社の存在意義を見つめなおし、事業の方向性を変貌させながら、存続と発展を図ってきました。未来に向けては、 SDGs、ESGの新たな社会からの要請に応えるべく、 2019年に創業100周年となる2032年のありたい姿を掲げた「サンスターグループ長期ビジョン2032」を制定し、今後も社会に必要とされる企業を目指します。常に時代に合わせてチャレンジを続けるサンスターの歴史を紐解き、サンスターの価値創造のDNAをご紹介します。

自転車を起点に独自の強みを育て事業を多角化

サンスターは、広島県の海と山に囲まれた小さな村で生まれた創業者の金田邦夫が、急速に新産業として活況を呈していた自転車産業に注目し、1932年に大阪で設立した自転車部品などの個人卸商「金田兄弟商会」を起源としています。最初のヒット商品はパンク修理用のゴム糊。大きな缶入りで売られていたものを、小さな金属チューブに入れて使いやすくしたのがヒットのポイントでした。そして、次のヒット商品は、その金属チューブの製造設備を活用して参入した金属チューブ入りの練歯磨剤でした。当時まだ粉の歯磨剤が主流だった時代に一から処方を開発して商品化し、使い勝手と品質の良さ、爽やかな香味が評判となりました。このハミガキ、ハブラシなどの事業で大きく飛躍し、化粧品や健康食品の事業へと拡大を図りました。

とくに、歯科研究で世界的に名高いニューヨーク州立大学バッファロー校に1979年から研究員を派遣し、10年間の歯周病に関する共同研究の成果を活かして歯周病菌を効果的に殺菌できる殺菌剤CPC(塩化セチルピリジニウム)を見出し、1989年に発売を開始した「G・U・M」ブランドの製品群で歯周病予防トータルケアブランドとして大きく発展しました。一方、ゴム糊の事業は、将来の市場性の大きさから自動車や建築用の接着剤の事業にシフトし、世界最先端の技術を持っていた米エセックスケミカル社と1967年に技術提携を行い、技術力を高めて大きく飛躍しました。日本の各自動車メーカーの要望にきめ細かく対応して多種多様な接着剤を開発、現在では世界中の自動車メーカーに製品を販売しています。自転車部品の事業も、より大きな市場成長があると考えたオートバイの金属部品にシフトして成功、世界のオートバイレースでは、トップチームがサンスターのレース専用ブレーキディスクを採用するなど性能、品質に定評があり、多くのバイク愛好家に愛されるトップブランドとなっています。このように、イノベーションを繰り返しながら、それぞれの事業で強みを伸ばし発展してきました。

様々な困難を乗り越える指針としての経営理念制定と存在意義の拡大

企業経営は創業者から次の世代へとの事業承継を行う際、創業者のDNAを受け継げるかがその後の事業発展のカギを握ります。サンスターでは、類まれなる事業センスを発揮した創業者 金田邦夫が50才の若さでこの世を去った際、その試練に直面しました。創業者が他界した1年後の1963年、サンスターは、当時の専務で後に社長となる金田博夫が中心となり、社員の心の拠り所となる社是「常に人々の健康の増進と生活文化の向上に奉仕する」を制定しました。この社是には、お口の健康だけでなく心や身体の健康、人類の健全な暮らしづくりで社会に貢献する願いが込められています。その後も経営基本方針や社員の行動規範を制定するなど、社員の目指すべき高い指針をつくり、行動規範を9か国語に訳した解説冊子を作って全社員への浸透を図りました。

お口と全身の健康啓発を推進

こうした指針をもとに1977年には、歯科保健の研究助成、歯科口腔衛生の啓発を目的にサンスター歯科保健振興財団(現在のサンスター財団)を設立しています。そして歯科保健の様々な専門家との交流をもとに、歯周病と糖尿病などの全身疾患が密接にかかわりを持つことをいち早く認識することとなりました。ニューヨーク州立大学で当時若手の気鋭研究者として頭角を現し、その後歯周病研究の世界的な権威となる故ロバート・ジェンコ先生と、糖尿病の世界最大の研究機関であるハーバード大学附属ジョスリン糖尿病センターのジョージ・L・キング先生らと、世界中で歯周病と糖尿病に関する医科歯科専門家向けのシンポジウムを開催、口腔と全身の健康の関連性を研究する若手研究者の発掘・育成にも力を入れています。近年は、老年医学の専門家でオーラルフレイル(お口の機能の衰えが老化を早める)の提唱者の一人でもある東京大学の飯島勝矢先生や日本歯科医師会などの専門家とともに、いち早く、お口の虚弱化が全身の老化を早めてしまうオーラルフレイルの予防啓発にも取り組んでいます。

社員の健康増進をもとに健康食品事業展開、健康的な空気環境の提供へ

また、社是の実現に向け、健康増進のための製品・サービスを提供するためには、まず社員自身が健康であるべき、との考えのもと、社員の健康的な生活習慣づくりを支援する健康増進施設「サンスター心身健康道場」を1985年に開設しました。この健康法に基づく健康食メニューをもとに、「健康道場」ブランドの健康食品事業も展開、2017年に経産省などが創設した認定制度「健康経営優良法人」にも7年連続で認定されています。さらに、2019年からは、人を取り巻く空気環境から人々を健康にするために、室内の空気を取り込み効果的に除菌・脱臭・ウイルス抑制を行う除菌脱臭機「QAIS -air-(クワイスエアー)」などの事業も展開しています。

創業100周年に向けた長期ビジョン実現と、世界の人々のWellbeingへの貢献

さらに、2017年からは、サンスターグループ代表の金田善博が中心となって究極の目標である社是実現に向けたより具体的な経営指針づくりに着手。2019年にはサンスター創業100周年となる2032年に向けた「サンスターグループ長期ビジョン2032」を発表しました。お口から身体、身体を取り巻く空気環境、住空間、移動空間も含めた健康的で快適な生活を支える製品・サービスを提供する企業として、事業で社会課題の解決に貢献し、環境問題や社員の幸福度向上などの社会的責任にもしっかり向き合っていくことを宣言しました。

今後に向けて

今後に向けては、激動する世界情勢や気候変動、人口増加、高齢化や感染症の問題など、ますます複雑化し、深刻化する様々な社会課題に対して、サンスターが様々な事業を通して培ってきた多彩な強みを活かし、どう解決策を見出し、社会に貢献していけるか、長期ビジョンの更なる進化と、新事業やサービス開発に向け、様々な議論を進めています。サンスターは、サンスターを取り巻くステークホルダーと地球のWellbeing実現に向け、世界の人々との積極的な対話を通して、新たな時代の要請を先取りし、サンスターの特徴を活かしたWell-being &ESG経営を進めていきます。今後のサンスターにご期待ください。

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